博多温泉

関東から来た軍地(ぐんじ)さんというカメラマン。たくさんの楽しい仕事をご一緒した。廃校になった鹿児島の小学校で子供たちを撮ったり、宇宙飛行士の毛利さんと九州の人々の撮影など…。

たしか群馬生まれで、伊香保温泉、草津温泉など温泉は知り尽くしているはずだが、九州で一番気にいった温泉が意外にも博多温泉・元湯。たぶん福岡の人も知らないような温泉だ。昭和41年、地蔵様のたもとに井戸を堀ったところ、49度の熱い湯が湧き出したそうだ。

博多温泉・元湯の玄関付近にあるお地蔵さん

4人くらいで浸かれば満員になりそうな浴槽。でも泉質は抜群だ。地下260mから汲み上げる源泉は一度も空気に触れることなく加水・加温も行わず源泉100%のまま浴槽へ。硫黄の匂いがする湯はラドンを多くふくみ、神経痛、筋肉痛、慢性消化器病などに効能がある。

湯は熱い。あまり長く浸かっていられないほどだ。間歇泉のように太いパイプから30分おきくらいに、温泉がふきだす。地元の人は、パイプから噴き出す温泉を直接患部に押し当てて療養されている。という。風貌から近くの寺の修行僧かと思われる浴客からそう聞いた。

私のあとにサイクリストが二人やってきた。ヘルメット装着、ロードバイク。JR九州の八十八湯めぐりの湯にも選ばれているので、スタンプ獲得のために訪れる人も多いことだろう。

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